#西村駅伝「高校生ランナー密着企画」
第4弾は洛南高校陸上部へ訪問いたしました。
全国高校駅伝の開催地、京都に校舎を構える洛南高校は、昨年度の都大路では7位、春先3月に行われた春の高校伊那駅伝では5位とどちらも入賞を果たした駅伝強豪校です。
また、駅伝に強いだけではなく、3000mSCで東京オリンピック、世界陸上ブダペストで共に日本人初の入賞の快挙を成し遂げた三浦龍司選手(順天堂大学4年)や、1500m、3000mの高校日本記録保持者である佐藤圭汰選手(駒澤大学2年)など、幅広い陸上競技においてトップクラスのランナーを輩出しています。
洛南高校密着レポートは、
①奥村隆太郎監督インタビュー編
②選手インタビュー編第1弾
③選手インタビュー編第2弾
④全選手アンケート編
の4つに分けて公開していきます。
今回は奥村隆太郎監督インタビュー編をお届けします。
伺った質問内容は以下です。
◆昨年度の駅伝(全国高校駅伝7位、伊那駅伝5位)を振り返ってみての監督目線での総括。
◆チームの中で今年 1 の注目株選手。
◆監督から見た洛南高校の強み。
◆ 成長する選手の共通しているところ、伸びる選手の特徴。
◆高校生をどんなランナー、人に育てていきたいか。指導する上で心掛けていること。
◆監督ご自身が怪我から乗り越えられた、怪我したことをプラスのマインドに変えられたきっかけ。
◆今年のチーム目標
日本だけではなく世界で活躍するランナーを輩出する秘訣、OB三浦龍司選手の高校時代についてなど奥村監督が赤裸々にお話ししてくださいました。
インタビュー全編は記事後方に動画がございますので、みなさんぜひ最後までご覧ください。
まず最初の話題は、昨年度の大会について。
昨年末の全国高校駅伝で、洛南高校は7位入賞を果たしました。
2021年大会では準優勝、2020年大会は3位という結果を残していたため、昨年のチームは選手が感じるプレッシャーが今まで以上に強かったそうです。
特に2021年大会では7区間中4区間が3年生で、3区を走った佐藤圭汰選手を中心にチームを支えていました。
その頼もしい3年生が抜けた昨年度はプレッシャーの他にも不安や心配も多かったことかと思います。
しかし、そんな中で7位入賞を勝ち取れた事が素晴らしく、監督の中では非常に手応えのある結果になったそうです。
先ほども話に上がった2021年大会では、洛南高校が総合タイム2時間1分59秒と、日本人選手のみで編成されたチーム史上初の2時間1分台を更新し、大きな話題を呼びました。
当時のチームの雰囲気、団結力は監督から見ても輝いていたとのこと。
今年のチーム状況も、誰かが突出しているというより、みんなが力を試し合い、成長し合うまとまりの良いチームワークが出てきているため、非常に良い状態だそうです。
監督としては、ここからさらに調整を重ね、胸を張って、「全国高校駅伝の優勝を狙います」と言えるチームになることが、まず第一段階の目標であることを和やかにお話ししてくださいました。
続いての質問は監督が注目している選手について。
チームの中心にいる3年生に注目しているのはもちろんですが、今回は敢えて下級生の名前を挙げていました。
まず1人は今年9月2日の亀岡ナイター記録会で、男子3000mで高校2年歴代5位の8分08秒56を更新した川口峻太朗選手(2年)。
普段は800m、1500mを主戦としてる川口選手が3000mでも適応され、結果を出したことは、高校駅伝でも起用する目処が立つなど、監督的には大きな手応えとなったそうです。
また、もうひとり名前が挙がったのは奥野恭史選手選手(1年)。
奥野選手は8月に京都府高校新人陸上競技大会5000mで14分57秒43の自己ベストをマークしました。
下級生が伸びてくるのはチームにとって強い刺激になり、良い起爆剤になっているとのこと。
様々な選手の成長により、駅伝大会でどの選手をどの区間に配置するかを毎日毎晩考えているとおっしゃっていた奥村監督。
考えるたびに考えが変わり、誰がどこを走ってもおかしくない状況だそうです。
特に毎年、全国高校駅伝地区予選を終えてから本番までの1ヶ月半は毎日駅伝のことで頭がいっぱいで、さらにご自宅が都大路コース上にあるため、ドアを開けたら都大路、どこいっても都大路がついてくる状況に「(住む場所に)失敗した」と笑いながらお話ししてくださいました。
私がこのインタビューで一番お聞きしたかったことは「成長する、伸びる選手に共通すること」について。
私の問いに、数々の有名ランナーを輩出した奥村監督は
「自分は強くなれると信じている選手」
と答えていました。
強くなりたいという意志以前に、まずは自分のことを信じている、自信の深い選手であることが、監督から見て伸びる選手の特徴だそうです。
洛南高校のOBとして今最も注目を浴びている三浦龍司選手。高校を卒業してからも成長し続ける三浦選手は、当時どんな選手だったか伺ってみました。
監督が出会った高校1年生当初は、子供の身体で、〝the中学生〟というランナーだったとのこと。
1年目は自分でも自分の才能に気づいてなかったが、学年が上がるにつれて、「高校のトップに行くんだ」という自覚が芽生え、自分に対する自信と共に記録と実績が備わってきたそうです。
そして自主的にも練習を取り組む三浦選手はみるみる成長。
このインタビュー中に監督も「3000mSCに関してはあの子に勝てる選手はなかなか出てこない」と絶賛されていました。
そんな三浦選手は高校卒業する際、奥村監督に「パリオリンピックに出たい」と話していたそうです。
それを聞いた監督は「パリ(2024)を目標にするのではなく、東京(2020)を目指せ」と答えたとのこと。
東京オリンピックを目指すくらいのビジョンを持って競技に取り組んでほしい思いと共に大学へ送り出したら、本当に三浦選手が東京オリンピック出場を果たしたので、これには「あ、ほんとに出た、すごい」と、その活躍を1人の指導者としてはもちろん、純粋に応援している1ファンとしても称賛されている様子でした。そして三浦選手に続く日本を代表するランナーがまた洛南高校から誕生することに期待を寄せていた奥村監督でありました。
インタビューが始まる前も終わってからも、気さくにお話ししてくださった奥村監督のおかげで、私も終始緊張せず取材を行うことができました。
インタビューでは他にも、奥村監督が指導する上で心掛けていることや、現役中に怪我が多かった奥村監督が思う怪我の乗り越え方、プラスのマインドに持っていく方法などもお聞きしています!
インタビュー全貌は下記の動画でご覧ください。
そして、今回も奥村監督に
洛南高校OB箱根駅伝ベストオーダーを考えていただきました!
奥村監督、本当にありがとうございます。
こちらも併せてご覧ください。
取材を快く引き受けてくださった奥村監督に感謝申し上げます。
次回は選手インタビューをお届けします!
洛南高校密着レポート 奥村隆太郎監督インタビューはこちら↓