#西村駅伝高校生ランナー密着企画。
今回は1年ぶりに長野県にある佐久長聖高校にお邪魔しました。
昨年12月の全国高校駅伝(都大路)で、2年連続4回目の優勝を果たした佐久長聖高校。
中でもチームを支えたWエース、佐々木哲選手と濱口大和選手にお話を伺ってきました。
取材日はなんと佐久長聖高校の卒業式当日!
午前中に卒業式を終えたお二人にお時間をいただき、一人ずつインタビューをさせていただきました。
今回は佐々木哲選手編をお届けします。
佐々木選手といえば、昨シーズン、駅伝で圧倒的な実力を発揮しました。
昨年の全国高校駅伝では3区で区間賞を獲得し、チームをトップに浮上させる圧巻の走り。
続く今年の都道府県対抗駅伝では、5区を走り、4位で受けた襷をこちらもトップに浮上。さらには区間記録を20秒更新。
両大会で、チームの優勝に貢献した力強い走りを見せました。
そんな一見順調そうに見える佐々木選手ですが、実は1年生のときは全国高校駅伝で、エントリーから外れる悔しさを経験。また、2年生では貧血に悩まされるなど、知られざる苦労がありました。
このインタビューでは佐々木選手の高校3年間の振り返り、そして大学での展望に迫りました。
ぜひ最後までご覧ください。

質問内容はこちら。
・1年、2年、3年、それぞれの振り返り
・3年の都大路の振り返り(レースプラン、鶴谷ターンの話題などについて)
・進路を早稲田大学に選択した理由
・大学での目標
・鈴木琉胤選手との関係性など
まずは1年生。
「苦労した1年間」と悔しさが大きかった1年だったそうです。
その苦労には様々な理由がある中で、1番大きく影響があったのは、慣れない寮生活。
地元が愛知県の佐々木選手は高校入学と共に初めて地元を離れ、寮生活がスタート。
佐々木選手は高校に上がるまで「自分本位で物事をやっているタイプ」だったとのこと。
しかし、寮生活では周りと合わせ、コミュニケーションを取っていくことが必要とされるため、
「自分がやりたいタイミングでやりたいことができない環境に慣れることに時間がかかった」
と苦労を吐露されていました。
中学時代は全日本中学校陸上競技選手権大会で、3000m2位の成績を残せたものの、高校1年生では大路はメンバーに入れず、期待に応える結果を残せなかったと、高校3年間を通しても、1年生が一番悔しさが残る年だったと話していました。
続く2年生。
前半シーズンは貧血に悩まされ、上手く練習に打ち込めてない期間があったとのこと。
そんな中で、高見澤勝監督や市村一訓コーチから頂いた言葉が佐々木選手を支えたそうです。
中でも印象に残っているのは、佐々木選手の調子が悪い時に頂いた言葉。
「ここで変われるかどうか」
「ここで自分を変えられるかどうか」
調子が悪い今こそが佐々木選手にとってターニングポイントであることを監督とコーチから教えていただき、気持ちを立て直すことができたそうです。
その後、12月には念願の都大路のメンバー入りを果たし、5区で区間賞。そして従来の区間記録を51年ぶりに更新する激走を見せました。
しかし、5区の距離は全区間で最も短い3km。
来年は長い区間で任せてもらえるように頑張りたい、と新たな目標もできたようです。
そして最終学年3年生。
トラックシーズンでは3000mSCで8分37秒23の自己ベストを更新。高校歴代2位のタイムを叩き出しました。
駅伝シーズンでも、都大路は3区で区間賞を獲得。
続く今年の都道府県対抗駅伝では、5区を走り、区間記録を20秒更新する走りでトップに立ち、優勝に貢献。大会MVPにも選出されました。
トラック、駅伝ともに世代トップクラスの成績を残した1年間。
その中でもやはり都大路の反響は大きかったそうで、中でも話題になったのは折り返し地点での「鶴谷ターン」
この鶴谷ターンを行うきっかけは高校の一つ上の先輩である、山口竣平選手(早稲田大学、2年)とのLINEでのやりとりだそう。
こちらの詳細に関しては、ぜひ最後の動画でチェックしてみてください⭐
そんな高校時代、様々な成績を残した佐々木選手ですが、多くの大学のスカウトがあった中で進路として選んだのは早稲田大学。
決め手は、個人がやるべきことを見つけて、全体練習でも個人でプラスアルファを探していく、「自由の中で陸上が行われていることに魅力を感じたから」とのこと。
高校時代は基本的にみんなで同じメニューで取り組んできた環境であったため、早稲田大学の練習スタイルは高校時代の応用編としてコミットをすることを考え、早稲田大学を選択したそうです。
臙脂のユニフォームを纏い、まずはトラックシーズンにて3000mSCで日本選手権出場、そして世界陸上参加標準記録の突破。東京2025世界陸上に出場できるように励んでいきたいと、力強く話してくださいました。
駅伝シーズンでは、走りたい区間などは具体的に決めていないものの、箱根駅伝では往路を走ることができたら、と胸を高鳴らせている様子でした。
私はこの西村駅伝で、佐々木選手には昨年と合わせ、計2回取材をさせていただいたのですが、佐々木選手にインタビューをしていて度々感じるのは、言語化能力の高さ。
自分の目標はこれで、
そのためにこれをしていき、
この先はこういう道を歩んでいきたい、
と自分の思いを言葉にするのが高校生には思えないほど上手な選手だと思います。
大学へ進学したら、その言語化能力を存分に活かし、周りを巻き込みながら成長していき、世界で活躍していく姿が見られるのではと思うと、佐々木選手の4年間が今から楽しみです。
4年後、この記事と動画をまた振り返りたいと思います。
佐々木選手。お忙しい中、インタビューに対応してくださり本当にありがとうございました。
卒業後も陰ながら応援しています。