「駅伝に詳しすぎるアイドル」 西村菜那子 が、駅伝や陸上競技の楽しみ方を独自の切り口で提案していくWEBマガジン

高校生ランナー密着

埼玉栄高校密着レポート ①神山洋一監督インタビュー編

#西村駅伝「高校生ランナー密着企画」
第三弾は埼玉栄高校男子駅伝部へ訪問いたしました。
昨年度の全国高校駅伝では4位、春の高校伊那駅伝では準優勝に輝く誰もが認める駅伝強豪校。

毎年数々の箱根駅伝ランナーを輩出している埼玉栄高校の強さの裏側に迫ります。

埼玉栄高校密着レポートは、
①神山洋一監督インタビュー編
②選手インタビュー編第I弾
③選手インタビュー編第2弾
④全選手アンケート編
の4つに分けて公開していきます。

今回は2004年からチームを率いる神山洋一監督インタビュー編をお届けします。

インタビュー全編は記事後方に動画がございますので、みなさんぜひ最後までご覧ください。

 

インタビューでお聞きした質問内容はこちらです。
◆監督から全国高校駅伝、伊那駅伝のチームの走り。
◆トラックシーズンに入った今、チームの中で1番好調な選手は?
◆埼玉栄高校の強さの秘訣。埼玉栄高校ならではの強みとは。
◆1番意識している(ライバル)高校。
◆高校生をどんなランナーとして、そして人としてどんな人に育てていきたいか、指導する上で心掛けていること。
◆今年度のチーム目標。

今回神山監督とは初めましてだったのですが、
インタビュー開始前から気さくにお話ししてくださり、収録前は少し緊張する私ですが、かなりリラックスして挑むことができました。

知り合いの方に「神山監督は気さくな方だよ〜」と事前情報があったのですが、その何倍も気さくな方でした(笑)

 

収録がスタートして、まず最初に伺ったのは昨年度の大会について。
全国高校駅伝は4位という結果に対しては、トラックシーズン好調だった選手が多く、選手自身自信を持って挑めた大会だったとのこと。
ベストメンバーで組めた上に1.2区の選手が良い流れを作れたことが4位という好成績の導きになったそうです。

そんな中、続く伊那駅伝では都大路メンバー7名のうち5名が3年生だったため、1.2年生のみが出場できる伊那駅伝では戦力ダウンが想定されていました。

そのため「3年生が強かったらチームも強かったと言われないために自分たちの存在価値を自分たちで作っていかなければならない」と年末年始にミーティングを行ったそうです。

結果は見事準優勝。
これは埼玉栄高校男子駅伝部の過去最高順位だそうです。

先輩たちが抜けた穴を埋めるように練習を積んだ1.2年生の選手は、ミーティングで監督と約束をした自分たちの存在価値をしっかりと作り上げていました。

私が1番印象に残っている質問は、埼玉栄高校ならでの強みを聞いた時のこと。

こちらのアンサーとして、神山監督は
「再現性」とおっしゃっていました。
再現性とは、「どんな時でも、どんな条件でも自分の強さを発揮、再現すること」

例え条件が良くても悪くても、相手が強くても、コースが厳しくても、どんな状況でも自分の力を発揮できる選手を目指して、
早く走る練習よりもペースやリズムを覚えたり、刻んだりする練習の指導に熱を注いでいるそうです。

この監督の言葉を聞いて私が真っ先に頭に浮かんだのは第96回箱根駅伝6区で見せた埼玉栄高校OBの館澤亨次選手(DeNAアスレティックエリート/東海大学)の走りでした。

当時優勝候補筆頭言われていた東海大学は往路4位と出遅れがあり復路は苦しい展開が予想されていました。

尚且つ、当時4年生の館澤選手は怪我に悩まされ、箱根前に復活を遂げたものの、6区を走るのはほぼぶっつけ本番だったとのこと。

そんな厳しい条件の中、復路のスターターを務めた館澤選手は、序盤からスピードを飛ばし、その勢いは止まることなく、なんと区間新記録を樹立する驚異的な走りを披露。

この館澤選手の走りはまさに、
神山監督がおっしゃっていたどんな状況でも自分の力を発揮する「再現性」なのではないでしょうか。

埼玉栄高校を卒業しても、OBの選手には「再現性」の強さが刻み込まれていました。

もう一つ印象的だったのは、チーム目標を聞いた時のこと。

基本的に監督が選手に「今年はこれを目標にします!」と提示したことはないそうです。

そこには2つの意味があり、
1つは監督が決めてしまうと、目標が〝与えられるもの〟になってしまうから。

もう一つの理由は
監督が決めるとなると、大人な故に現実的な目標を立ててしまうから。

例え、1歩、2歩先の挑戦的な目標であっても、生徒たち自身が決めた目標で頑張っていくことが大切であるため、目標は毎年選手同士がミーティングをし、決めているそうです。

選手とのコミュニケーションは欠かさないものの、監督として一歩引いて見守る事も大切にしている神山監督でした。

 

主力の3年生が卒業し、新たな戦力で挑む埼玉栄高校男子駅伝部。
強みである「再現性」を活かしたチームの活躍を楽しみにしていきたいと思います。

インタビューが終わってからも少し監督とお話しするお時間があったので、

私が「この選手は普段どんな選手ですか?」「あの選手はどういう人柄ですか?」
などついつい細かく質問してしまったのですが、
どの選手のことをお聞きしても、「あの子は普段こんな子で〜、、」とエピソードが止まらない姿に、監督の選手に対する愛情を感じました。

これまで数多くの箱根ランナーを育て上げたそ神山監督ですが、
そんな神山監督が箱根駅伝ベストオーダーを組むとなると、どんなエントリーになるのだろうか、、と思った私。
ダメ元で「神山監督が考える箱根駅伝ベストオーダー埼玉栄高校編を書いていただけませんか、、、」とお伝えしたところ、
私のおこがましい願いを叶えてくださいました。

神山監督が選ぶ箱根駅伝ベストオーダー埼玉栄高校編、ぜひみなさんご覧ください。

貴重なお時間とお話をしてくださった神山監督に感謝申し上げます。

次回は選手インタビュー編をお届けします!

埼玉栄高校密着レポート 神山洋一監督インタビューはこちら↓

 

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